母の遺体を運んでいる途中で馬車の車輪が外れ、近くのロレイウス農園の主人に
修理を何度か頼み込んだが、断られた・・・とのこと。
私を見つけると、今にも泣きそうな表情で・・しかも大きな声で助けを求めてきた。
『ちょっと変わった人・・・でも悪事は全くしてないわけだし、困ってるなら
助けてあげよう』Sumomo:私でよければお手伝いいたしますよ。
シセロ:おお・・・!心優しいカジートさん。お願いだ!ロレイウス農園に行ってくれ!
至急、近くのロレイウス農園の主人になんとかならないかと頼み込んだが・・・
「見たか?あの男を。完全にいかれてるんだ。道化師?このスカイリムで??
死んだ母親を埋葬するんだと。・・・怪しいもんだ。
・・・あの棺桶にはきっとスクゥーマやら戦利品がはいってるに違いない。だから一切かかわりたくない!」・・・の、一点張り。
土下座しながら猛烈に説得した甲斐があって、だんだん主人の態度が穏やかになってきたみたいだ。
「仕方がない・・・お前の顔に免じて今回だけは特別だぞ。・・・小さな男はまだあそこにいるのか?
道具を揃えたらすぐ向かうと伝えてくれ」
フゥ・・・うまくいってほっとしたよ・・・。
しかし、あの頑固オヤジの確証のない言動には少しカチンときた。あの石頭を叩き割り・・・(ブンブンッ!)
そんなこと考えちゃいけない。
急いで彼の元へ行って報告。お礼にレベルに見合ったお金をくれた。
ぴかりぴかりのちゃ~りちゃり~な金貨、250枚だった・・・。
そして彼に笑顔が戻った。
・・・――――勇者たるもの、人助けは当然でしょう。お互い気持ちよく次の日を迎えられることだろうし。
人の役に立つ依頼があるかどうか適当に探してみる。
・・・―――この前、リバーウッドの宿屋のオヤジが噂話をしてくれたのがあった。
『ウィンドヘルムに住むアベンタス・アレティノっていう子供が
怪しい儀式をしているらしい。なんでも、闇の一党を呼び出すそうだ』子供が・・・?しかもなぜ闇の一党を・・・?止めさせるべきか?
とにかく・・・行かねばなるまい。
今日も寒いね・・・ウィンドヘルム。そしてここが例の少年の家らしい・・・。
あら・・・?鍵がかかっている。ロックピックで開けるしかない・・・のかな?
ガチャガチャ・・・ 『これって軽犯罪だよね・・・』ドキドキしながらドアをこじ開けた。
中に入るとなにやら、ぶつぶつ聞こえる。
「愛しの母、愛しの母、あなたの子供を私の元へ届けてください。
卑しい者の罪を血と恐怖をもって清めなければならないのです」「・・・死ね!グレロッド!!死ねッ!!!」・・・儀式の真っ最中みたいだった。
Sumomo:なぜ、あなたはグレロッドって人をそんなに憎むの?」
はッ!っとしたように少年は振り向いた。
「来てくれた・・・やっと闇の一党が来てくれた!!毎晩ずっと祈ってたんだよ・・・ずっとずっと・・・」
私をどうやら闇の一党の一員だと勘違いしているらしい・・・。
「母さんが死んでから・・・ここの首長の命令で、リフテンのオナーホール孤児院に
送られたんだ。・・・でもそこの孤児院はまったく最悪だったよ・・・。
院長のグレロッドってババァ・・毎日毎日僕たち子供に酷いことするんだよ!・・・疑うなら、この足の傷を見て・・・!」
アレティノはズボンの裾を上げ、痛々しいアザだらけの足を見せてきた。
『う・・・っ!これは・・・ひどい』「お願いだよ!・・・グレロッドを殺して!!人殺しはよくないとわかっている。
・・・でも僕は闇の一党を呼んで、どうしてもアイツを始末して欲しいと思ってるんだよ。
今にも殺されかけてる友達が沢山いるんだ!・・・僕、どうしても皆に会いたい・・・
けれど、もうグレロッドには会いたくないし・・・・・怖くて・・・」
そう言いながら、私の服の袖をグイグイ引っ張っては泣きじゃくっていた。
その必死な姿が、哀れでしかたがなかった。
この子を助けなければ一生苦しい思いをさせてしまう・・・。
孤児院にいる沢山の子供たちにとっても同じことだ。これは私にとって最大の人生の分かれ道?
・・・これはほんの寄り道に過ぎないんだ。一瞬で終わる。そう・・・そしてまた善人としての道を新たに歩めばいいのではないか。
こうしてアレティノの願いを受けてしまったSumomo。
リフテンのオナーホール孤児院に行き、静かに家の奥のドアを開けた。
『ヤバイ、誰かいる・・・!』暗がりの中にボゥっと影が浮かび上がる。
「・・・誰なんだぃ!?勝手に私の寝室にあがりこんで!」
Sumomo:あなたが・・・グレロッドさん?ウィンドヘルムのアベンタス・アレティノが宜しくと言っていた。
「さては・・・私を懲らしめるためにここへ来たんだね?アンタにゃぁ、できっこないね~」
馬鹿にした口調で言うと、グレロッドはさっさとベットに横たわった。
『ムカツク!!なんて人なの!?』
・・・貴方みたいな人は子供を育てる資格はない・・・。ライトニングボルトを食らわせてやる・・・!
バチッ!バリバリバリッッ!ギャァァーーーーー!
グレロッドの悲鳴が辺りに響き渡る。
そして身体を震わせながらベッドの上に倒れこんだ。
『・・・どこかに隠れなきゃ・・・!』
私の焦る気持ちを余所に、子供たちが次々と集まりだした。
「やったぁ!グレロッドが死んだ!!あはははは!」
「アベンタスがやった!闇の一党最高~!あはは!!」
グレロッドの死体を目の前にしてるのに、子供たちは大喜びしていた。
この光景・・・少し胸が痛い・・・。
早々とその場所から立ち去り、急いでウィンドヘルムのアレティノの家に着いたSumomo。
報酬としてアレティノ家の家宝を頂いた。
「僕の夢は暗殺者になることだ。そしたら・・・沢山の子供たちを助けられるから。
カジートさん・・・ありがとう。本当にありがとう・・・!」
人殺しは・・・これで最初で最後にしたい。
そう思うSumomoであったが、後日配達人からこんなメモをもらうとは思っても見なかった。
『何?この悪戯・・・誰かの嫌がらせ?・・・すごく気味が悪い』
これは紛れもなく、闇の一党からのメッセージである・・・。
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