・・・・・・生きたまま魔術師の炎に焼かれた。
ガルナグは重症を負ったが、なんとか襲撃してくる連中を払いのけ街の外まで夜母の棺を運んだ。
そして悲劇の夜からずっと、彼は歩き続けてここに戻ってきたのだ。
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彼女の死を無駄にはできない。
決死の覚悟で身代わりとなり、夜母を守ってくれたのだ。
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私は闇の一党の古き習わしを最後まで守り抜くつもりだ。そう決心させたのは言うまでも無い。
彼女の残した遺言は正に夜母なのだから・・・。――――――――――――・・・
守りし者に選ばれたことを私は光栄に思っているが時折、悲しい気持ちでいっぱいになるんだ・・・。
・・・――――――――――――・・・
やっと見つけた聞こえし者・・・・・・
奇しくも、私が一番大嫌いだったラシャと同じ種族。
・・・だが、この猫は違う。
何かが違うんだ!・・・どこが違うのか?
強さか?
耳か?
目か?
尻尾とか?
それとも・・・・・・
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カジートといえばエルスウェーア・・・
エルスウェーアといえば、特産のスクゥーマ。
月の光を溜め込み、海水を吸収して育った植物から抽出したのがムーンシュガー。
その原材料から作られる魔法の秘薬スクゥーマ!
あぁ、私もスクゥーマが大好きだ。若い頃は、ブラヴィルやシェイディンハルの暗くジメジメした場所で
ひっそりと商売をしている、小汚い密売人からよく購入していたものだ。
孤独に耐えてこられたのはこれのお陰なんだろうか。
守りし者に任命される前までは・・・随分とお世話になった。
・・・また欲しくなる時が来るのだろうか?・・・・・。
・・・今のままだと埒が明かない。聞こえし者のことをもっと知るべきかもしれない。
気になるよ・・・。
夜母のお世話で忙しい毎日を送っていたせいもあったのか、完全に頭の中は
夜母のことばかりを考えていた。夜母のことだけを見ていた。だが・・・
あの時からだんだん状況は変化し出したのだ。
食事をしても、風呂に入っても、寝ても覚めても頭の中でチラチラと浮んでくるのは聞こえし者の顔。
顔
顔
顔・・・・?
いったい何故・・・!?気になって仕方が無いよ・・・。
・・・―――――――――――――――――――・・・
Sumomo・・・・・・
・・・―――――――――――――――・・・
聞こえし者が静かに横たわっている・・・。
このしなやかな手も、足もとても・・・とても冷たいよ。
そして、この穏やかな
表情は・・・・・・・――――――――――――――――――・・・
まるで死人みたいだ
・・・――――――――――――――――――・・・
・・・―――――――――――――――――――――――・・・
この死人みたいな顔・・・・私は好きだよ。
・・・―――――――――――――――――――――――・・・
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Sumomo:だめ・・・一線を越えては、だ・・・め・・・・・・・ヴィーザラぁ・・・・・・・むにゃむにゃ・・・・
・・・――――――――――――――――――――――――・・・
・・・――――――――――――――――・・・
・・・――――――――――――・・・
目を覚ますと、窓際でシセロが出発の準備を整えている最中だった。
淡々とした行動のシセロを見たSumomoは、急に寒気を感じてしまった。
酷く薄気味悪い夢を見ていたような・・・?震えが止まらないし・・・汗もびっしょり。
やがてこちらの様子に気付いたシセロは、にこやかに微笑えんだ。
シセロ:やぁ、おはよう。・・・今日もいい天気だ。
Sumomo:・・・・おはよう。
ずっとうなされていたらしく、周りを見渡すとベットのシーツや枕カバーが自分の汗で
かなり湿っているのが分かった。
Sumomoは、ふと首の後ろ辺りに手を当てると妙な暖かさを感じた。
『何これ・・・なんかベタベタして気持ち悪い・・・』
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朝食を終えて、少し休憩しながらボーっとSumomoは考え込んだ。
ホワイトランで何か調達する物はないか、何か他にし忘れていないかとか・・・
唯一頭に浮んできたのは、いつかの夢に出てきたあの老婆の姿だ。
『あんたがよく遊びに来るところだよ。伝説のドラゴンボーンと呼ばれた街に私は住んでいるんだ。
もしチャンスがあったら、私の所へ寄ってってちょうだいな』
ホワイトランへ立ち寄ったのも、あのおばあさんの話を聞く為でもあった。
Sumomo:ちょっと寄るところがあるから・・・私に付き合ってくれない?
そう言ってシセロと約束をすると、2人はバナード・メアを後にした。
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