【第23話】盗賊ギルドの鑑定家
・・・―――――――――――――――・・・
何も望んでいなかった・・・けれど、気が付いたら私の手がひどく汚れていた。
・・・犯罪という色に。
・・・犯罪という色に。
・・・―――――――――――――――・・・
ブリニョルフ:完璧だ。・・・・これなら、盗賊ギルドへ招待できるぞ。・・・ん?
なんだ、暗い顔をして・・・嬉しくないのか?
Sumomo:いえ・・・自分に驚いているだけです。・・・さ、さあ早く行きましょ!
私の窃盗技術は想像以上のものとなり、ブリニョルフの言いつけ通りに順調に事は運んだ。
ポケットに違和感を感じたブラン・シェイは、Sumomoがこっそり入れたマデシの指輪を手にとって
ひどく慌てた様子だった。
「・・・あれは俺の指輪だ!」
マデシは大きな声でブラン・シェイを指差した次の瞬間、リフテン衛兵はブラン・シェイの腕を掴み、地面に押さえつけた。
ブラン・シェイ:俺はやっていない!これは誰かの陰謀だ!!
リフテン衛兵:もう遅い!・・・これ以上抵抗すると、この鋭い刃を咽に突き刺すぞッ!
・・・――――――こうしてリフテン衛兵によってブラン・シェイは御用となったのである。
罪の無い人に罪をかぶせた・・・・・神に背を向ける行為をした。
神と言っても、どんな神なのかは分からない。少なくとも悪を嫌う神だと想像できる。
ブリニョルフ:意外な才能を発見できてよかったな・・・小娘。
リフテン墓地中央の白い建物の中へと案内されたSumomo。
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【第22話】盗賊さん、こんにちは。
あれからシセロと別れてベッドに腰を下ろしたSumomoは、フゥー・・・っと長く息を吐き思いふける。
シセロが顔を近付けて、私の何を知りたかったのか?
私の反応を見て得たものとはいったい何だったのか?
結局、彼が何をしたかったのか私には全く見当がつかず、考えれば考えるほど頭の中が混乱するだけだった。
アストリッドの命令で明日は、リフテンの盗賊ギルドへ長い旅に出掛けないといけない。
ホワイトランまでは徒歩になるけれど、そこから馬車を借りたとしても到着するのに夜中までかかるとおもう。
リフテンにはウィンドヘルムのアベンタス・アレティノの依頼で訪れたことが一度あるが
オナーホール孤児院での出来事以来全く街の印象は覚えていない。
Sumomoは馬車の荷台に揺られて、いつの間にか爆睡していたらしい。
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【第21話】悪魔の囁き・・・前兆
自室前までSumomoを引っ張り、急に立ち止まったシセロはそれまで握っていた手をパッと離した。
シセロ:こんなつもりじゃなかった・・・。聞こえし者・・・手荒な行動をとった私を許してほしい。
シセロの表情は、先ほどまでと比べて一変した。
Sumomo:ううん・・・私のせいであなたを傷つけてしまったかもしれない。
・・・ごめんなさい。でも・・・どうしてヴィーザラを敵のように睨んだの?・・・何かあったの?
シセロ:本当は家族として私は、良い関係を築きたいと思っているよ。
だが聞こえし者?私の心を揺さぶる、一番の原因をつくっているのは・・・お前だ。
気付いているはずだよ?ちょっと考えれば、何となく分かるだろう・・・?
Sumomoは少し考えた後、首を傾げた。
シセロ:・・・わからないのか??フーム・・・それとも騙されやすいシセロをからかってわざと
とぼけたフリをしているのだね?
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【第20話】嫉妬心上昇中
聖域を離れてから早くも6日が経とうとしていた。
常に夜母をお世話しなければならない人が、私のために遠出し、私のために寄り道までしてくれた。
夜母の側近である私の近くに、ただ居たいだけなのかもしれない。
・・・どちらにせよ、迷惑ばかりかけてしまっていると思う。
さすがの彼の表情にも焦りが見えてきたような気がする・・・。
早く戻ってあげないと・・・夜母はずっと首を長くして、彼を待っているに違いない。
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【第19話】苦悩の末に・・・
若い頃から、この聖域は私の人生の全てだった。
・・・私が初めてこの職業を適正だと知ったのは、ずいぶん前の話になるわ。
両親を戦争で亡くした私は、その後孤児院に預けられたのだけどすぐ養子として貰われたの。
新しい家には父方の叔父が住んでいた。
彼は・・・ストレスの捌け口として、私に暴力を働いたわ。それが徐々にエスカレートしてきて、挙句の果てには・・・
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