第四紀187年 恵雨の月12日
シェイディンハルは肌に合う。他の聖域が破壊や放棄されていく中、我々の任務は十分にあり
ボーナスも十分に稼げる。
・・・とはいえ、足がかりとなる拠点はタムリエル全土で急速に失われつつある。
これからどうするかについては、の意見が割れているという噂がある。
拡大を希望する者もいれば、整理統合がいいという者もいる。
自分の個人的な意見としては、闇の一党はどんなに小さくなろうとも
人々には我々があらゆる場所に存在するという錯覚を与え続けなければいけない。
タムリエルを軽視するほど、闇の一党に対する人々の信頼
__我々の力、我々の仕事、虚無への献身__を失ってゆくのだ。
第四紀187年 恵雨の月27日
聞こえし者のアリサンヌ・ドゥプレはブラヴィルの私邸を離れて数日間ばかり我々の所に滞在している。
彼女とラシャはブラック・マーシュのアルコンにあるシャドウスケールの
訓練施設の再開の可能性について相談していたが、結局のところ計画を実行するための資源が
不足しているという結論に達した。
第四紀187年 恵雨の月27日
アリーナの任務を完了した。結局のところ、私はスターに憧れるファンのフリをしたのだが
すぐにグランドチャンピオンに気に入られることができた。
その傲慢な愚か者を大森林に案内し、彼の喉を切り裂き骸はクマのために残しておいてやった。
・・・ここまで読むと、当時のシセロの精神はまだ崩壊してないことが伺える。
いたって普通の真面目な暗殺者だった。
これはまだ1冊目。残りの日記はあと3冊ある。
シセロは何故、こんな個人的な内容の日記を私に見せてくれたんだろう・・・。
とにかく、文字ばかり見てると頭が痛くなってくるのでやめよう。
『すごく疲れた・・・・まだ寝てないんだっけ、私』
さっきまで緊張が解けずにいたが、日記を読んでいたら眠気が一気に襲ってきた・・・。
・・・――――――――――・・・
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・・・―――――――――――――――――――――――――・・・
ハハハ・・・お前のスゥームを覚える速度は驚異的だな。ドラゴンボーン・・・
ここまでとは思ってもいなかった。
・・・・・何?
迷っているだと・・・・・・?
戯言を抜かすでない!お前は才能に満ち溢れている。期待しておるぞ・・・『こんな私でいいんですか・・・?もちろん、スカイリムの英雄にはなりたいですけど・・・』
・・・―――――――――――――――――――・・・
『・・・まだ修行が足りません・・・』
『私・・・どこに向かって歩いてるの?』
『あの青い光、綺麗だなぁ・・・』
・・・―――――――――・・・
『痛・・・ッ!突然、頭が・・・』
・・・――――――――――――・・・
・・・―――――――――――――――――――・・・
『この目・・・何のエンブレムだろう・・・?』
・・・――――――――――――――――――――――――――――――・・・
『ちょっと不気味・・・』
・・・―――――――――――――――――――・・・
・・・―――――――――――・・・
・・・――――――・・・
ヴィーザラ:おい。ここで寝ていると、風邪を引くぞ。カジートなら尚更だ。
Sumomo:あ・・・ヴィーザラ?あれ?どうしてここで寝てるんだろ?しかも裸足だ!あははは・・・は・・・
私を見るヴィーザラの目つきが怖い。
ヴィーザラ:すぐに起きろ。アストリッドがお前を呼んでるぞ。
アストリッドが・・・?いったい私に何の用だろう?また、殺しの仕事かなぁ・・・?
フゥ・・・。
変な夢を見た後だったので、気分が少し悪い・・・
でも、アストリッドの命令を無視することはできなかった。
私が駆けつけると、両手をテーブルの上にのせたままずっと考え込んでいる様子の
アストリッドがいた。
・・・顔色がなんだか優れない。
アストリッド:随分長いこと冷たい石の上で寝ていたらしいわね。
風邪を引いてないといいのだけど・・・。
ところであなたに、少し個人的なことを頼みたいのだけれど、いいかしら?
Sumomo:え・・・あ、はい。
アストリッド:悪いわね。実は・・・シセロのことよ。
到着してからというもの、彼の行動は・・・
常軌を逸したなんてものじゃない。
本当に頭がおかしくなってしまったのね・・・ふふっ。アストリッド:・・・事態はもっと深刻よ。
夜母の部屋に閉じこもっては、誰かと話をしているのよ。ひどく取り乱した状態でね。
『え・・・・!』アストリッド:誰と話をしているのかしら?何を企んでいるの・・・
謀反を企ててはいないかと心配なのよ。
直感だけど、私にはあいつが何か企んでいるように思えてならないわ。
Sumomo:誰かと企んでる・・・・?考えすぎじゃないかな?単なる独り言かもしれないし。
彼は精神の・・・病気なのよ。
アストリッド:確かに・・・そうかもしれない。・・・私の考えすぎかもしれない。でも・・・!
アストリッドは拳を硬く握り、首を横に振った。
アストリッド:・・・きっとシセロは・・・私達の独立について、古き習わしへの
回帰の必要性を引き合いにするでしょうね。
私達のことを・・・行儀が悪くて乱暴で、異端だとも言うでしょう。
夜母を守りし者としての今の彼には・・・この聖域を統率する資格があるの。アストリッド:あなたには分かるかしら?・・・私の、気持ちが。・・・・・・・・・いえ、やっぱり・・・
今は答えて欲しくないわ。
プライドが高く、芯の強いアストリッド・・・故に、どんな些細なことでも神経質になってしまう。
本人にとって、とても辛いことなのだろう・・・。
アストリッド:でも私は闇の一党のリーダーとして、あなたに命令をする権利があるの。
従ってくれるわよね?いえ、従いなさい。
あの部屋に忍び込んで会合の内容を盗み聞きしてきてちょうだい。
絶対見つからないような場所・・・彼が思いもよらないところ。・・・例えば、夜母の・・・・棺の中とか。
アストリッド:あなたは不敬だとおもうでしょうけど・・・。でも選択の余地はないわ。
見つかるわけにはいかないのよ。さぁ、行きなさい!
彼らが落ち合う前に。分かったことは何でも私に報告するのよ。
Sumomo:わ、わかり・・・ました。
アストリッド:ああ・・・聖域を相手にそんな陰謀を企てようという者が私達の中にいるなんて・・・!
考えただけで胸が痛むわ・・・。
そう言うと、アストリッドは部屋の奥へと姿を消した。
言われるがままに応じてしまったけれど・・・本当にこれでいいのだろうか?
シセロと会話してやっと、仲良くなれそうな感じになってきたのに。
これじゃあ・・・台無し・・・。
今更、引き返すわけにもいかず・・・。
Sumomoはここから離れて、夜母が安置されている部屋へ向かうことにした。
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